登録支援機関を選ぶ前に知っておくべき、業界の構造的問題
外国人材の受入れを検討している経営者・担当者に、まず知っておいてほしいことがある。
登録支援機関は、あなたの味方とは限らない。
01 送り出し機関の「質」は、見えない
インドネシア、ベトナム、ミャンマー・・・送り出し国には数百、数千の送り出し機関が存在する。選抜基準・日本語教育の内容・ビジネスモデルは機関によって大きく異なり、受入企業が自力で見極めることはまず不可能だ。
その見極めを担うはずなのが、登録支援機関である。しかし、登録支援機関自体を誰が選別しているかといえば、答えは「受入企業自身」だ。
そこで陥りやすいのが、担当営業の印象や提示条件だけで判断してしまうことだ。話しやすい、費用が明快、対応が早い・・・それは窓口の話であって、機関そのものの話ではない。どういう経緯で設立された会社か、どんな送り出し機関と組んでいるか、過去にどんなトラブルを経験しどう対処してきたか。そういった素性を問うことが、本来の目利きだ。
02 「採用できます」という言葉の罠
「うちの条件では、来てくれる人がいないのではないか」
そう不安を打ち明ける受入企業に対して、「大丈夫です、採用できます」と断言する登録支援機関がある。
その言葉は嘘ではないかもしれない。実際、来日してくれる人材は見つかる。問題は、その後だ。
来日してみて初めて、労働条件の現実を知る。思い描いていた待遇との乖離に気づく。そうなったとき、外国人材には選択肢がある・・・転職という選択肢が、思ったより簡単に使える環境がある。
「採用できます」は、定着を約束しない。条件に不安のある受入企業ほど、この言葉を鵜呑みにするリスクがある。
03 転職させた方が儲かる、という構造
外国人材が転職すると、受入企業には新たな求人が発生する。登録支援機関にとっては、また一から採用手数料を得るチャンスだ。送り出し機関にとっても同様で、新しい求人が来れば、新たな生徒の授業料と紹介料が入る仕組みになっている。
つまり、転職は登録支援機関にとっても、送り出し機関にとっても、収益の再起動を意味する。
定着されるより、転職してもらった方が儲かる・・・そういう構造が、この業界には存在する。自社で日本へ送り出した人材の国内転職を、送り出し機関が積極的に手引きするケースが後を絶たないのも、この構造と無関係ではない。
受入企業は、登録支援機関と送り出し機関、双方の利益の向きを意識的に問い、搾取されないよう自己防衛する必要がある。
04 「定着支援」は、義務ではない
登録支援機関に法律が課す義務は、定められた支援業務のみだ。
定期面談の実施、行政手続きの補助、相談窓口の設置・・・これらは法定業務として最低限こなせば、登録支援機関としての要件は満たされる。「定着」そのものは、義務の外にある。
書類対応だけで終わる機関が多い中、現場は問題の予防ではなく、起きてからの対応に追われることになる。コンプライアンス上の問題が発覚してから連絡が来ても、すでに遅い場合がほとんどだ。
05 外国人材は、日本人より転職しやすい
地域に根を張らず、母国とのつながりを保ちながら働く外国人材は、日本人以上に転職の心理的ハードルが低い。それは批判ではなく、構造的な事実だ。
「せっかく採用したのに」という感覚は、受入企業の側の論理であって、外国人材の側の論理ではない。
この現実を前提とした受入れ体制の設計と、日本人採用以上のコストと関係構築への投資を覚悟すること・・・それなしに、外国人材の定着は難しい。
だからこそ、登録支援機関選びが全てを決める
制度の構造的な問題を理解したうえで、定着に本気で向き合う登録支援機関を選ぶこと。それが、定着に不安を持つ受入企業にとって最も重要な意思決定だ。
表向き定着支援を掲げている機関は多い。しかし、看板だけでは判断材料にならない。問題は、実態が伴っているかどうかだ。
転職を防ぐための日常的な関与があるか。不満や不安の兆候を早期に察知する仕組みがあるか。現場でトラブルが起きたとき、書類対応ではなく人として動けるか。そしてその機関は、人材を融通することで収益を得たいのか、地域や受入企業の成長とともに自分たちも育ちたいのか。
看板ではなく、行動で問う必要があるだろう。その機関が、過去にどんな問題に直面し、どう動いたか。トラブルを防ぐために日常的に何をしているか。いざというとき、誰が、どう動くのか。選ぶ前に、具体的な行動を引き出す問いを持つことが重要だ。
キタカラの答え
企業が損をしているのに、キタカラだけが得をすることは不本意だ。地域と企業を強くすることが、キタカラの目的だからこそ、1年未満の離職が発生した場合には初期費用を全額返金する。転職で稼げる構造を意図的に持たないこと、それが、覚悟の表れだ。

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