外国人比率はまだ低い。けれど、その伸びは全国トップ。
北海道で急速に進む「地域の国際化」
北海道で暮らす外国人が、急速に増えています。
2025年時点で、北海道の人口に占める外国人の比率は1.64%。全国の3.36%、首都圏の4.64%と比べると、現在の水準は決して高くありません。
しかし、注目すべきなのは「いま何%か」だけではなく、「どれほどの速さで変化しているか」です。
10年間で、外国人比率は約2.4倍に
北海道の外国人比率は、2016年の0.69%から、2025年には1.64%へ上昇しました。
2016年を100として指数化すると、2025年は236。つまり、この10年間で約2.4倍になった計算です。
同じ期間に、全国は約1.9倍、首都圏は約1.8倍となっています。北海道では、全国や首都圏を上回るペースで、人口に占める外国人の割合が高まっているのです。
北海道は「外国人比率が高い地域」では、まだありません。
けれど、「外国人の存在感が急速に高まっている地域」だといえます。
最新の前年比増加率は全国1位
この変化は、直近の統計にも表れています。
総務省の住民基本台帳に基づく2026年1月1日時点のデータでは、北海道の外国人住民数は7万5,392人。前年から14.9%増加し、その増加率は47都道府県で最も高くなりました。
2位は沖縄県の14.4%、3位は大分県の13.9%です。外国人住民の増加が、大都市圏だけでなく地方へ広がっていることが分かります。
なお、「全国1位」は外国人比率そのものではなく、直近1年間の外国人住民数の増加率を指します。
北海道の外国人比率は全国平均を下回っていますが、近年の増加スピードは全国でも際立っています。

外国人材は、北海道の産業を支える存在に
北海道では、人口減少と少子高齢化が進み、さまざまな産業で人手不足が深刻になっています。
農業、漁業、食品製造、宿泊、外食、介護など、地域の暮らしと産業を支える多くの現場で、外国人材の存在は欠かせないものになりつつあります。
外国人住民の増加は、単に統計上の数字が増えているという話ではありません。
職場や学校、商店、医療機関、地域行事など、日常のさまざまな場面で、外国人住民と地域住民が接する機会が増えていることを意味します。
北海道の国際化は、観光地や一部の都市だけでなく、地域の暮らしのなかで進み始めています。
受け入れ人数の増加に、地域の環境は追いついているか
外国人住民が増える一方で、受け入れを支える環境には多くの課題があります。
住居の確保、日本語学習、行政手続き、医療、防災、交通手段、日常生活の相談体制など、外国人住民が安心して暮らすためには、仕事以外の支援も必要です。
特に北海道では、広大な地域に市町村が点在し、公共交通が限られている地域も少なくありません。冬の暮らしや災害への備えなど、北海道特有の生活情報を分かりやすく伝えることも重要です。
また、外国人を受け入れる企業だけに対応を任せるのではなく、行政、地域住民、教育機関、医療機関などが連携し、地域全体で生活を支える仕組みをつくることが求められます。
問われるのは、「何人迎えるか」から「どんな地域をつくるか」へ
外国人住民が増えることは、単に働き手が増えることではありません。
異なる言葉や文化を持つ人が地域で暮らし、働き、家族や仲間との関係を築いていく。人口構成の変化に合わせて、企業や地域のあり方も変えていく必要があります。
採用して終わりではなく、安心して生活できる環境を整えること。職場で成長できる機会をつくること。そして、地域の一員として人とのつながりを育てること。
受け入れの「数」が急速に増えている今だからこそ、受け入れの「質」が問われています。
北海道の外国人比率は、全国と比べればまだ低い水準です。
一方、その伸びは全国トップ。外国人住民の増加は、遠い将来の話ではなく、すでに北海道各地で始まっている変化です。
この変化を一時的な人手不足への対応で終わらせるのか。それとも、誰もが安心して働き、暮らせる地域づくりにつなげるのか。
北海道はいま、その分岐点に立っています。

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