ミャンマーの徴兵制拡大で若者の海外就労が困難に——経済や労働市場への影響は?
ミャンマーで徴兵制の対象が拡大され、これまで23歳から31歳だった徴兵対象が、18歳から35歳の男性に広がることになりました。2025年2月4日に政府が発表し、これに伴い、就労を目的とした海外渡航が原則禁止となり、日本への技能実習生や特定技能労働者の派遣にも影響が出るとみられています。
この背景には、国内の治安悪化や兵力不足があると考えられますが、一方で、労働力の減少や経済停滞といった国全体への影響も無視できません。
徴兵制拡大の経緯
ミャンマーの徴兵法は2010年に制定されたものの、長らく運用されていませんでした。しかし、2023年2月に発効し、まず23歳から31歳の男性を対象に徴兵が始まりました。
そして、2025年2月4日に発表された改定により、対象年齢が18歳から35歳へと拡大。これにより、さらに多くの若者が徴兵の対象となり、これまで徴兵を避けるために海外就労を選んでいた人々も、その選択肢を奪われることになります。
労働市場への影響——技能実習生・特定技能労働者の減少
1. すでに内定が出ている人たちの渡航が難しくなる?
今回の出国制限により、すでに日本企業や監理団体から内定を受けている技能実習生や特定技能労働者が、渡航できなくなる可能性があります。
- 在留資格認定証明書(COE)を取得済みであっても、ミャンマー政府が出国を認めなければ、日本へ来ることができません。
- 監理団体や受け入れ企業は、今後の状況を慎重に見極めながら対応する必要があります。
2. 現在、日本にいるミャンマー人労働者への影響は?
- すでに日本で働いている技能実習生や特定技能労働者も、契約満了後に帰国すると徴兵対象になる可能性があります。
- 一時帰国を希望しても、再び日本に戻ることが難しくなるリスクもあり、慎重な判断が求められます。
- 在留期間の延長や特定活動ビザへの変更など、日本国内での滞在継続を模索する動きも出てくるかもしれません。
経済への影響——外貨収入の減少と国力低下
ミャンマー経済にとって、海外で働く労働者からの送金収入は重要な資金源です。特にタイ、日本、マレーシア、韓国などで働くミャンマー人労働者が家族に送金することで、国内の経済が支えられてきました。
しかし、徴兵制の影響で海外出稼ぎが難しくなると、
✅ 出稼ぎ労働者が減少し、海外からの送金が減る
✅ 外貨不足が深刻化し、輸入品の価格が上昇する
✅ 地方の貧困層を中心に生活が厳しくなる
といった問題が懸念されます。
また、技能実習生としての渡航が制限されることで、海外で学んだ技術を持ち帰り、国内産業を発展させる機会も失われる可能性があります。
監理団体・受け入れ企業への注意点
1. 渡航予定者の状況確認を慎重に
- すでに採用が決まっている技能実習生や特定技能労働者が渡航できるのかどうか、最新の政府発表を確認することが大切です。
- 渡航が難しくなった場合、企業の採用計画にも影響が出るため、他国からの人材確保なども視野に入れる必要があるかもしれません。
2. 日本国内のミャンマー人労働者への支援を検討
- 帰国を希望しない人に対して、在留資格の延長や転籍のサポートをすることも、今後の対応として考えられます。
- 出入国在留管理庁や関係機関と連携し、適切な選択肢を提供できるように準備することが求められます。
3. ミャンマー政府の動向を注視
- 今後の状況次第では、さらなる規制強化の可能性もあるため、現地の最新情報を定期的にチェックすることが重要です。
まとめ——徴兵制拡大が国の未来に与える影響とは?
今回の徴兵制拡大は、短期的には軍の人員を確保するための施策ですが、長期的には労働力不足や外貨収入の減少、経済停滞といった問題を引き起こす可能性があります。
また、監理団体や受け入れ企業にとっても、
✔ ミャンマー人労働者の確保が難しくなる
✔ 技能実習生や特定技能労働者の受け入れ計画を見直す必要がある
✔ 今後の状況次第では、ミャンマー以外の国からの採用を検討する必要がある
といった課題が出てくるでしょう。
今回の政策がミャンマー国内の経済や社会にどのような影響を与えるのか、引き続き慎重に見守る必要があります。
詳細は現地の送出機関などにご確認ください。

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